【退職予備軍】“優秀な人材ほど早く辞めていく”のは12月に見抜ける|年末に必ずやるべきエンゲージメント診断のポイント
結論|退職予備軍を見抜くには「12月」は最大の“気づきポイント”
優秀な人材ほど、静かに・早く辞めていく。
これは経営者や人事が最も頭を悩ませる現象ですが、決して偶然ではありません。
多くの企業では次のような行動パターンが見られます。
- 4〜6月:業務や人間関係への不満が芽生え始める
- 7〜9月:キャリアの選択肢として転職を意識し始める
- 10〜12月:来年を見据えて“動くか残るか”の判断を下す
この実務上の共通パターンからも、12月は「退職予備軍」を見抜ける最後のタイミングだと言えます。
本記事でわかること
- ✅ 退職予備軍の具体的なサイン
- ✅ 優秀な人材が辞める退職予兆パターン
- ✅ 12月に必ず行うべきエンゲージメント診断
- ✅ そのまま使える1on1面談テンプレ
- ✅ 人事が押さえる実務ポイント
年末はただの「振り返り」ではありません。
“流出リスクを最小化する最後のチャンス” として位置づける必要があります。
キャリア自立意識が高い人ほど早く辞める理由
─ その裏にある“構造的な問題”とは?
優秀な人材、もしくはキャリア自律意識の高い人ほど「静かに次を探す」傾向があります。
これは性格ではなく、以下のような“構造要因”が背景にあります。
- 転職市場で評価されやすい(オファーが届く)
- 自分の市場価値を正しく理解している
- スキルが他社でも通用するため、現職に固執しない
- 不満を表に出さず、自分の中で整理しながら動く
結果として、企業側からは「突然辞めたように見える」のです。
👉つまり、目立つ問題社員よりも、優秀層の方が“気づいたらいない”リスクが高いという構造が生まれます。
退職予備軍とは?
─ 今すぐケアすべき“静かなリスク層”
退職予備軍とは、
「辞める準備は始めていないが、すでに転職を意識している層」 を指します。
- 表向きは普通に働く
- 仕事も無難にこなす
- しかし、“熱量”だけが明確に下がっている
この層が最も見抜きづらく、最もケアが必要です。
この段階でのフォローを怠ると、企業では例年、
- 1〜3月での急な退職
- 繁忙期直前の戦力ロス
- 採用が間に合わない構造問題
として表面化しやすくなります。
優秀な人材が辞める「退職予兆パターン」7選
- 定時退社が急に増える(残業の仕方が激変)
- 会議で発言しなくなる(関与が薄まる)
- 後輩への指導が減る
- 将来の話・キャリアの話をしなくなる
- 目標設定を無難にまとめ始める
- 文句を言わなくなる(期待しなくなり諦めのフェーズ)
- 有給消化の相談が増える
⚠2つ以上当てはまる場合は注意。
「熱量低下 → 行動変化 → 心理的距離の拡大」という典型ルートに入っている可能性があります。
12月に実施すべきエンゲージメント診断「3つの視点」
企業が12月に必ず確認しておきたいのが、次の3つの観点です。
① 仕事への納得感
- やらされ仕事になっていないか
- 期待役割と評価がズレていないか
② 成長実感
- 今の仕事で成長を感じているか
- 新しいスキルが身についている実感があるか
③ 人間関係・心理的安全性
- 上司に本音を相談できているか
- チームに“居場所”を感じられているか
【そのまま使える】退職予備軍を見抜く面談テンプレ
導入トーク
「今日は評価ではなく、来年をより良くするための対話の時間にしたいと思っています。」
ここで“安心感”をつくるのが最重要です。
必須質問3問(退職予兆を自然に拾える設計)
- 今の仕事にどれくらい手応えを感じていますか?
- 来年、どんな成長ができると嬉しいですか?
- 今の業務環境で、もっと働きやすくなるとしたら、どんなサポートがあると嬉しいですか?
要注意な回答(サインを読み取る)
- 「特に不満はないです」
- 「どちらでも大丈夫です」
- 「会社に任せます」
→ 本音を隠している“グレーゾーン回答”です。深掘りの必要あり。
人事が12月に必ず押さえるべき実務ポイント
- 面談は評価ではなく“対話”として設計する
- ログは“兆候のみ”を人事がモニタリングする
- エンゲージメントは“点”ではなく“変化値”で追う
- 来年の役割・育成計画に必ず反映させる
- 「辞めそう」ではなく「どう伸ばすか」で向き合う
よくある質問(FAQ)
Q. 少人数でも必要?
→ むしろ必須です。1人辞めた時のインパクトが大きいためです。
Q. アンケートだけでも効果は?
→ 不十分です。数値だけでは本音は拾えません。アンケート+対話のセット運用が効果的です。
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